国鉄コンテナ･ホッパ車

国鉄（JR）コンテナ車・ホッパ車・石炭車

（最終更新日　2002.10.17）

　

■コキ5500初期形（KATO改造）

国鉄による本格的なコンテナ輸送は昭和34年のコンテナ特急「たから（汐留～梅田）」で始まりました。５tコンテナを５個搭載する貨車としてチキ5000（当時は長物車として扱われた）が製造され、続いてデッキ付きのチキ5500が増備されました。いずれもTR63台車を履き最高速度も85km/hとなりました。のちに形式称号改正があり、コンテナ車はそれまでの長物車「チキ」からコンテナ車専用として新たに興された「コキ」に変更され、チキ5000、5500ともコキ5500に改造・編入されました。最終的には3000輛近くが製造されました。その後、新５tコンテナの登場により４個積みに改造され現在に至っています。また台車も初期車のTR63から後期車はTR216となりました。モデルはKATOから発売されたコキ10000をコキ5500に改造したものです。改造のポイントは台車の移設とTR63への振り替え、台枠部分に手を加え、塗装も青色からとび色に変更したものです。作例のようにコキ5500の初期車は台枠の補強リブが多いタイプのため、プラ板を帯状に切断し、現物合わせで取り付けていきました。またデッキ部の手すりも真鍮線から自作し、ハンドブレーキ装置も取り付けてあります。

■コキ5500後期形（KATO改造）

大量増備されたコキ5500のなかでも8555番以降の車輛は台車がTR216に変更されました。モデルはこの台枠補強リブが少なく、TR216台車を履くグループを模型化しました。上の初期形と改造内容はほぼ同じくKATOのコキ10000から改造しましたが、補強リブの増設がないぶん楽でした。台車はホビーモデルのワキ5000を8000に改造する際に余剰となったTR216を流用し、コキ10000から5500に改造する際に余剰となるTR203台車をワキ8000に流用したため、まったく無駄にならない改造が行えました。この改造により当鉄道に在籍した２輛のコキ10000は形式消滅となってしまいました。

■コキ104（ENDO製品）

コキ100系列は国鉄の分割民営化により分離されたJR貨物が製造した新たな低床形高速コンテナ貨車です。従来のコンテナ輸送は最高速度100km/hによる10000系のフレートライナーや50000系による高速拠点間輸送方式が採用されていました。コキ100系列はそれをさらに進化させたもので、最高速度を110km/hとするために新開発されたFT１形台車、新型ブレーキ装置を搭載し、なおかつ海上コンテナが積載可能となるように床面高さが1000mmとなり、昭和62年から製造が開始されました。登場時にはコンテナブルーにグレーの台車という斬新なカラーリングもさることながら、コキ100・101からなる４輛１ユニット方式としたことも目新しく、今後のコンテナ輸送の方向を示唆させるものでした。その後４輛ユニット車はコキ102・103へと発展し、また２輛ユニット車としてコキ105が製造されました。コキ104はそうしたユニット方式を採用せず、従来のコンテナ車と同様に１輛単位で使用されることを前提に1989年から製造された車輛で、2000輛近くが製造されました。

■コキ104（ENDO製品）

ENDO製コキ104の大きな特徴は「エンドウPLUS」と銘打ったシリーズで、プラモデルのメーカー、ハセガワと企画・設計をタイアップして製品化されたものです。プラスチックの車体にダイキャストの台車を組み合わせたもので、従来の鉄道模型の高価格化に対抗して低価格路線を打ち出したことは、当時のKATOやTomixの本格的な日本型HOゲージの参入とともに、とても評価すべき事柄であったことに加え、ハセガワの本格的な鉄道模型事業への参入も期待されました。さて、モデルは完成品として発売され、写真にも示すようにパイピングやブレーキ装置までプラスチックで成型されており、なかなかシャープな出来映えです。デッキ手すりは燐青銅をエッチングしたものが最初から取り付けられています。なおコンテナは別売りとなり、さまざまなメーカーからカラフルな製品が発売されています。これからの貨物列車はこのようにさまざまなコンテナの種類を楽しむのもひとつの方法ですね。

■ホキ2200（KATO製品）

ホキ2200は昭和40～49年にかけて1200輛近くが製造された穀物専用のホッパ車で、クリーム４号に塗装された卵形断面のホッパが特徴で、台車はコロ軸受け化されたTR211を履いています。荷役はホッパ上部の４個のハッチ（2396～2465の70輛は大型の２個ハッチ）から積み込み、ホッパ下部の２個の取り出し口から取り卸を行います。また、本形式の特徴としてホッパ周囲の側面と妻板にそれぞれ遮熱板が取り付けられています。類似形式としてホキ8300やホキ9800が存在します。モデルではこれまでにアダチの真鍮キットやホビーモデルのプラキットが製品化され、当鉄道においてもホビーモデルのキットが１輛ありましたが、決定版としてKATOから製品化されました。車体は同社の製品らしく文句の付け所はありません。前述したように製品には小型ハッチと大型ハッチの両方が含まれて、好みにより選択できるようになりました。また同社が外国形で採用しているコロ軸受けが実際に回転する機構も採用されています。走らせてしまえば遠くからはわかりませんが、なかなか楽しいギミックではあります。

■ホキ5700（Tomix組立）

ホキ5700は昭和40～48年にかけて600輛近く製造されたセメント専用のホッパ車で、ホッパ上部の積み込みハッチから粉体セメントを積み込み、ホッパ下部からエアスライド方式で取り出す方式です。メーカーにより外観が２種類に分かれ、写真に示すタイプは中央に向けてＶ字形に傾斜したホッパ本体が露出しているのが特徴的な日車製のものです。少数派の東洋製は側面全体がカバーされてのっぺりした形態が特徴です。台車は標準形のTR41を履いています。モデルはTomixのプラキットシリーズ第２弾で、組立自体はそれほど難しいものではありませんでしたが、側板と妻板の間に生じる間隙をパテ埋めするのが唯一困難な作業でした。全体的にはディテールがバランス良く表現されていて、なかなか好感の持てるキットでした。

■ホキ2500（KTM製品）

ホキ2500は石灰石専用のホッパ車として昭和43年より製造されました。積載荷重は35tで、台車は新系列のTR213を履き、赤３号の塗色と背の低い車体が特徴です。主に関東地方で使用されましたが、名古屋地区で使用されるものは粉塵対策としてカバー付のものが登場しました。側扉は圧力空気を使用した自動扉開閉装置が取り付けられました。同形の私有貨車としてホキ9500が存在します。初期車は側扉の部分にガンガン叩きの場所を指定する円板が取り付けられていたのが特徴です。モデルはKTMのプラ車体完成品で、TR213台車は枕バネの部分にカバーが取り付けられたタイプを製品化しています。本形式は青梅線や南武線の石灰石列車としてED16とともに増備したものです。前述したようにガンガン叩き用の円板を取り付けた車輛もいずれ加工する予定です。

■セキ1000（ホビーモデル改造）

セキ1000は昭和５年から製造された北海道向けの石炭車で、TR20形アーチバー式の台車を履いているためかなりクラシックな印象を受けます。九州では荷役装置の関係からセムやセラといった２軸車で床下から石炭を卸す方式がとられましたが、北海道は側面から石炭を卸す方式がとられ、比較的大型の２軸ボギー車が中心となっています。実物は積み卸し時の粉塵対策として水を撒くため、冬季はその水で石炭が凍結してしまいます。そこで側板をハンマーで叩きながら（通称ガンガン叩き）石炭を卸すため、ベコベコに凹んでしまったものが多いようです。モデルはホビーモデルのセキ3000を改造して製作しました。工作の中心は側扉の改造が主体で、補強桟の数が異なるため、元のモールドをすべて削り落とし、洋白製の精密アングルを用いて新たに取り付けました。台車は日光モデルのTR20を使用しています。最高速度は65km/hのため「ロセキ」と表示され、車体側面に黄帯が巻かれ、なおかつ北海道内での使用だったため、「道外禁止」と表示されているのが特徴です。

■セキ3000（ホビーモデル組立）

昭和26年からセキ1000に続いて製造された石炭車で、車体はほぼ同様ながら台車は鋳鋼製のTR41を使用しています。その後石炭積載時の高速走行の安定化を図るために、枕バネを柔らかくしてセキ6000に改造されました。モデルはホビーモデルのプラキットで、側扉部分を折り曲げて車体を箱状に組み立てていきます。実物は30～40輛という長編成で運転されていましたから、安価なプラキットの登場はその夢を実現するためにたいへん救いになります。その後しばらく経ってからエンドウよりプラの完成品が出て、現在はそちらを少しずつ増備しています。妻面にあるハンドルは片方が手ブレーキ、片方が側扉開閉用ハンドルとなっていまが、実物は北海道の交流電化が始まった際に、作業員の架線接触事故を防ぐため、妻面の操作ハンドルが低い位置に変更されました。模型でも数輛はこのタイプのものを作ってみました。ちなみにハンドブレーキのホイールはエコーモデルのパーツを使用しました。ただ、本来ならハンドルが低くなったぶん、ステップの位置も低くしなければなりませんが、作例では省略してそのままの位置としてしまいました。

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